施設訪問してみました!

目標を決め、計画的に治療することが骨粗鬆症治療では重要です。

施設訪問してみました!

目標を決め、計画的に治療することが骨粗鬆症治療では重要です。

青島整形外科 院長 青島賢明先生

プロフィール

静岡県に生まれ育ち、勤務医を経て地元で整形外科を開業された青島賢明先生。診察時には患者さんの訴えをよく聞くことはもちろん、まず患部に触れ、動かし、痛みなどの原因を慎重に探ることを肝に銘じているといいます。実際、肩が痛いという患者さんが実は首が痛かったというケースもよくみられるとか。

骨粗鬆症はご自身で気づきにくい疾患だと聞きますが、どのように診断されているのでしょうか。

青島 青島

当院では50歳以上の初診の女性の方には全員に「骨密度検査をしませんか」と、声をおかけし、ほとんどの方に検査を受けていただいています。その結果により治療を開始するケースも少なくないのですが、患者さんに骨密度が低いとお伝えすると、「私、牛乳は飲んでいますよ」といわれることが多いものです。丈夫な骨のためにはカルシウムさえ摂っておけば大丈夫だという認識がまだまだ一般的なのですね。栄養面ではカルシウムの吸収にビタミンDやKも必要なこと、あるいはたとえ十分に栄養を摂って、運動をして、健康を気遣った生活をしていても、女性ホルモンの影響などもあって骨粗鬆症を招く場合があることを改めて知ってもらうことが重要です。

骨粗鬆症ならではの治療における配慮はありますか?

青島 青島

この疾患では治療を途中でやめられてしまう場合も少なくありません。やはり同じ薬を飲み続けて、年に一度程度の検査を受けるのでは、患者さんにも“飽き”がきて、治療へのモチベーションが続かないものです。それを避けるためには、目標を決め、計画を立てて治療を進めることが大切ではないでしょうか。例えばYAM値(若年者の骨密度平均値に対する比較値)が80%まで回復したら治療を終了しましょうと、具体的に目標を設定することが大切です。とはいえ、骨粗鬆症で最も重要なことは骨折をしないことです。一度骨折が起きると次に骨折の起きるリスクが上昇するとの報告もありますので、定期的に検査に行き、ご自分の骨を気にしていただくことを理解してもらうようにしています。例えば3月、7月、11月と検査の予定を入れておくなども治療継続するための良い工夫になるかもしれません。

生活面で何かアドバイスはありますか?

青島 青島

ここ静岡のようなはクルマ社会では、近所のコンビニにもクルマでとなってしまうこともあるかと思います。近年こうした環境変化により、歩く機会が非常に少ない方が多いので、「運動不足は骨粗鬆症の原因の一つであり、とにかく面倒くさがらずに外に出て歩きましょう」と、よく話しています。また、当院では脊椎圧迫骨折などを起こした患者さんへの訪問リハビリも行っており、理学療法士が患者さんの住まいに伺っています。すると、転倒を招きそうな状態の室内を目にすることがあります。皆様のご自宅も、転倒による骨折を防ぐために室内の改善や工夫などできることが何かあるかもしれません。ぜひ身近なところから確認してみるのはいかがでしょうか。

病院紹介

青島整形外科
静岡県静岡市駿河区池田401-2

2004年に開院し、2021年に現施設を新築し移転。近隣の検査センターで骨密度検査を受けた患者さんが紹介される例も多いなど、地域での連携を図りながら診療を進めています。

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